第2戦:男子日本代表93-108アルゼンチン代表「強豪を相手に、点数を開かれながらも追い上げることができた」田中大貴選手
「バスケットボール日本代表国際試合 International Basketball Games 2019」第2戦は、FIBAランキング5位の強豪アルゼンチンと対戦する同48位のAKATSUKI FIVE 男子日本代表。立ち上がりこそ4-0とリードしますが、すぐさま逆転されたあとはアルゼンチンペースで試合が進みます。前半で最大17点差と引き離されるも、日本は気持ちを切らすことなく意地を見せるとともに、16,211人のファンに背中を押されたことで1ゴール差まで迫ります。しかし、最後は試合巧者のアルゼンチンにふたたび引き離され、93-108で敗れました。
開始55秒、八村塁選手(ワシントンウィザーズ)の豪快なダンクで日本がリードして試合がスタート。しかし、アルゼンチンに確率良くシュートを決められ、開始4分には逆転を許します。第2クォーター開始2分、#29パトリシオ・ガリーノ選手に3Pシュート、#4ルイス・スコラ選手がフリースローを沈め、25-37と二桁点差をつけられます。さらに、アルゼンチンのフルコートプレスディフェンスに対してミスが重なり、連続3Pシュートを許した開始3分には17点差をつけられました。
第2クォーターはベンチに下がっていた八村選手が、残り5分からコートに戻ると流れも変わります。すぐさまスティールからダンクを決め、反撃ののろしを挙げます。八村選手、ニック・ファジーカス選手(川崎ブレイブサンダース)が3Pシュートを決め、47-51と4点差に迫ります。「バスケは0秒になるまで続いている」という馬場雄大選手(アルバルク東京)が、残り時間が少ない中でも諦めずにアタックしたことで、前半の終わりを告げるブザーとともにバスケットカウントを決めます。53-56と3点差に縮めて前半を終えました。
後半開始早々、さらに馬場選手が得点を挙げ、55-56と1点差に迫ります。強気のプレーでダンクをねじ込んだ#12渡邊雄太選手(メンフィスグリズリーズ)が、そこから連続得点を挙げ、開始2分で59-58と逆転に成功。しかし、世界5位が本領を発揮しはじめます。第3クォーターのラストプレーは、#7 ファクンド・カンパソ選手が体勢を崩しながらも3Pシュートバスケットカウントを決め、77-83日本は6点差を追いかけて最終クォーターへ。
「アルゼンチンは今日の試合の入り方も、締め方も完全に我々よりも上手でした。それは経験の差であり、また3Pシュートは16/28本、57%と確率良く決められたのが今日の試合の一番の敗因です」というフリオ・ラマスヘッドコーチ。「最後は世界の強豪国としての力の差を見せつけられた感じがしました」と渡邊選手も、この結果を認めざるを得ない戦いでした。
日本のフィールドゴール成功率は50%であり、93点を挙げたことは及第点と言えます。しかし、今日のアルゼンチンは58.1%で上回り、3Pシュートに至ってはラマスヘッドコーチが敗因に挙げたとおりであるとともに、第3クォーターまでは60%を超えていました。フリースローも20/23本と確実に決め(日本は14/20本)、精度の高いバスケで108点を奪われたわけです。
「ワールドカップまでにどれだけ完成度を高められるかに着手しなければなりません。約1週間後にはその成果もハッキリします」というラマスヘッドコーチは、ニュージーランド戦に続いてディフェンスを課題に挙げました。アルゼンチン戦はゾーンディフェンスを敷く場面もあり、「相手がペースをつかめない時間帯にすることができました。しかしその後、ゾーンに対応されたのでマンツーマンディフェンスに変えたのですがうまく行かず、確率の高い3Pシュートを決められて点差を離されてしまい、その差を追いつくことができませんでした」と修正点が浮き彫りになりました。
敗れはしましたが、世界5位のアルゼンチンに大差をつけられることなく、ゲームとして成立したことはポジティブに捉えることができます。田中大貴選手(アルバルク東京)は、「今日の結果に対し、あまり悲観的になる必要はないです」と言い、逆に「この経験を踏まえて良い状態に持っていくことが大切です」。強豪相手に、「点数を開かれながらも追い上げることができたことなど良い面もすごくありました。試合後のミーティングでヘッドコーチからも、メンタル面でもっと良い準備をしないといけないという話がありました。もっと集中力を高めて、ひとつのミスが命になるという危機感を持って戦っていかなければなりません」と世界トップレベルを肌で感じたことで、しっかりと手応えを感じていました。
それは渡邊選手も同じであり、「このメンバーでのチームも良くなっていると感じましたし、強豪国を相手にも十分戦えると思える時間帯がありました。まだまだ自分たちが成長していけば、ワールドカップでもしっかり戦えると思います」と迫ってきた本番モードに突入しています。
8月23日(金)は、週末に男子日本代表が対戦するドイツvsチュニジア戦がさいたまスーパーアリーナで開催されます(17:00試合開始)。この試合は、さいたまスーパーアリーナ開催分の日本代表戦をご購入いただいた方は、そのままのチケットでご観戦いただけます。全席自由であり、来年の東京オリンピックでどの位置で見たいかをシミュレーションできる機会でもあります。
男子日本代表戦も残すはあと2試合。8月24日(土)はドイツ戦、翌25日(日)はチュニジア戦と続き、9月1日(日)にトルコと対戦するFIBAワールドカップ2019が開幕します。ドイツ戦は前売り券が完売したため、急きょ「5階スタンド自由席」の追加販売が決まりました。さいたまスーパーアリーナの大きさを堪能するには、俯瞰して見られる5階席はオススメです。